マイコンをはじめよう~水槽管理システム STEP5 LED回路編~

IoT

ここから回路を作ります

水槽管理システムで最後の項目のLEDです。

要件は以下です。

  • LEDの電源は5V
  • 電流は1.2A必要 (実測なので1.5Aは確保したい)
  • PWMで明るさを可変にしたい

それではやっていきましょう。

LEDの仕様

いま使っているライトがこんな感じのものです

できるだけUSB電源で動かしたいので、こういうLEDライトを使っています

ではこれを、M5StampS3のポートのHigh/Lowで直接点灯できるか、というとそういうわけにはいかないです。

このあたりは前回のCO2編と同じ話で、くどい感じもしますが書いてみましょう。

LEDのスペック

まずLEDの消費電流ですが、私が使っている製品は2系統のLED(暖色/寒色)がありまして、それぞれON/OFFできます。

片方をONすると700mA流れて、両方ONすると1200mA流れます。

なぜ700mAx2個の1400mAにならないかは謎です。USB電源の仕様は1ポート2.4Aなのでまだ余裕はあるはずなのですが。。。

マイコンのスペック

M5StampS3のマイコン部分はESP32-S3というやつなのですが、このデータシートを見ると、I/Oポートの出力電流がTyp.40mAとなっています。

最大定格ではないし、Typ.値(だいたいこのくらいという値)なのが引っ掛かりますが、たぶんこのくらいしか出力できないということでしょう。

そうすると出力できる電流が不十分なうえ、そもそも電圧が3.3Vなので5Vで動くUSB機器を動かすのは無理ということです。

ではどうするか

ここでもトランジスタです。

CO2編では扱う電流量も小さかったのでデジトラにしましたが、今回はそれなりに大きめの電流を扱いますのでFETというヤツを使います。

※ FETの説明はいつかどこかで ※

かんたんに説明すると、割と大きめの電流でも損失少なめで扱えるトランジスタです。

要するに今回の目的にはちょうどいい特性のものってことです。

ちなみにバイポーラ(前回登場したトランジスタ)でやろうとするとベース電流が足りなくなる可能性があります。

そのあたりも加味して今回はFETを使うことにしました。

FETの使い方

普通のトランジスタのピンは以下の構成でした。

  • B : ベース
  • E : エミッタ
  • C : コレクタ

対してFETは、

  • G : ゲート
  • S : ソース
  • D : ドレイン

となっております

そしてこんな感じで使います。B → G、E → S、C → Dのような関係です。

よく使われるのがNch-MOSFETというヤツなのですが、そいつの場合はゲートに電圧をかけるとドレインからソースに向かって電流が流れます。

もう少しケアする

上記の図でも動きますが、少し雑なのでもう少しケアしてみます。

具体的には以下を追加します。

  • ゲート抵抗 (RG)
  • ゲート-ソース間抵抗 (RGS)

ゲート抵抗

ゲートに電圧をかけた瞬間にゲートにむかって一瞬電流が流れます。

ここで抵抗が無いと短絡したようになってしまって大電流が流れてしまう可能性があります。

そこで抵抗を入れて電流を流れにくくする、という感じです。

値は適当に50Ω前後にしておきます。

ゲートソース間抵抗

上の図だとわかりづらいのですが、マイコンでゲートを制御する場合、ゲートOFFの時はゲートがオープンになっている場合があります。

そうするとゲートの電位が不定になってしまうので、ゲートに電圧をかけない場合はGNDの電位にするために抵抗を付けておきます。

ここの値は100k~1M程度、大きな値を雑につけておけばいいです。小さくすると無駄に消費電流をくってしまうので避けておきましょう。

回路完成

マイコン用に書き直してみると以下のような感じになります

けっこうカンタンな回路に収まりました。

今回はここまでです。次回はPWM制御編です。

ここまで読んで頂きありがとうございます!

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